サングラード
ツィルニトラ共和国の首都。人口600万人を超える連邦最大の都市。市の中央には、長大な壁で囲まれた『城塞区画』があり、式典の行われる大広場や政府の中枢機関はこの内に存在する。
ツィルニトラ共和国の首都。人口600万人を超える連邦最大の都市。市の中央には、長大な壁で囲まれた『城塞区画』があり、式典の行われる大広場や政府の中枢機関はこの内に存在する。
大戦後、世界を二分する東の大国。首都はサングラード。共和制だが、実質は一党独裁の社会主義国家。現在のトップは最高指導者であるゲルギエフ。国内の情報は厳しく統制され、国家にとって不都合な真実はしばしば握りつぶされる。
大戦後、世界を二分する西の大国。民主主義国家。東の共和国と熾烈な宇宙開発競争を繰り広げている。『プロジェクト・ヘルメス』を立ち上げ、目下、7人の宇宙飛行士が史上初の有人弾道飛行を目指している。
成功すれば、人類初となる有人宇宙飛行計画。連合王国の『プロジェクト・ヘルメス』に対抗し、東歴1960年9月、共和国最高指導者ゲルギエフが発令した。
人類初の有人飛行計画に先立ち、吸血鬼を実験体として宇宙に送り込む計画。生態的な特徴が人間に最も近い実験動物であり、成功しても人間ではないため“人類初”にはならないということで、非情にも吸血鬼が選ばれた。
宇宙開発都市。宇宙開発関係者約9000人が住まう。存在そのものが国家機密であり、地図に記載されない[閉鎖行政領域体]である。住民にも厳しい守秘義務が課されている。
『ライカ44』内にある実験用動物の飼育施設。訓練センターの裏手の森のなかにある。通常は宇宙飛行士候補生でも立ち入ることはできない。イリナは実験体として所内の独房に収容されている。
国家保安委員会が保有する秘密警察の通称。国家に不都合な人物を施設へ運び、事件を隠密裏に処理している存在。委員会副議長は前政権の残党で、政権を打倒したゲルギエフの台頭を快く思っていない。
『呪われし種族』として人々に忌み嫌われる存在。紅の瞳に白い肌、尖った耳と牙を持つが、その他の外見は人間と大差ない。北方の暗く寒い地で生きるため、暗視能力と耐寒性を持つが、太陽や暑さに弱い。 また、モンスターとして語り伝えられていることの大半はデマ。血を吸うのは儀式のときのみで、普段は人間と同じ食事で代替できる。 しかし共和国内での偏見は根強く、不幸をまき散らす不吉な人外として差別的な扱いを受けている。
イリナの一族に伝わる首飾りの宝石。吸血鬼は月の民という伝承があり、月の石とされている。青い石で、なかにオーロラ状の光輝がある。イリナの心を支える宝物。
ツィルニトラ共和国の西隣にある小国、リリット国の奥地に存在する小さな山村。『呪われし種』として人々に追いやられた吸血鬼一族が世間から隠れるように暮らしていたが、大戦時、国の全域が激戦地となり、村も戦渦に巻き込まれる。そして戦後、リリット国が共和国連邦に併合されると同時に、アニヴァル村は禁忌の地として隔離され、住民は村外へ出ることさえ禁じられるようになった。
イリナとレフの前に落ちてきた宇宙船(キャビン)。1957年の実験犬、マールイを打ち上げた『パールスヌイ2号』と同様に、打ち上げには成功したものの、大気圏の突入の際のトラブルで燃焼して落下した。
ロケットや人工衛星を打ち上げるための基地。[閉鎖行政領域体]のひとつ。『ライカ44』から南東へ約2000キロ離れた、広大な岩石砂漠に建設されている。
イリナが搭乗した宇宙船(キャビン)。コローヴィンの設計。 機器の改良が遅れ、イリナが無事帰還する確率は3割を切ると予測された。そのため、国外へ墜落する事態にそなえ、機密保持のための自爆装置が搭載されている。
アルビナール宇宙基地から西に位置する広大な平原。イリナを乗せたキャビンの落下予想地点。
連合王国に対抗して発令された有人飛行計画『ミェチタ(夢)計画』に、宇宙飛行士候補として選ばれた6名のこと。この6名でさらに選抜試験を行い、最終的に最も適格とされた1人だけが「人類初の宇宙飛行士」として宇宙へ飛び立つことができる。
度重なる宇宙実験での敗北から、人類初の有人飛行のためにアーナック連合王国が立ち上げた『プロジェクト・ヘルメス』に、宇宙飛行士候補として選抜された7人のエリート軍人。
人間と吸血鬼、二つの血を受け継ぐ種族。両者が分断されている共和国連邦には存在しない。 16世紀半ば、迫害から逃れ、アーナック大陸へ渡った吸血鬼たちの子孫で、世代を重ねたことで、日光への弱さや耐寒性は失ったものの、赤い瞳や尖った耳、牙などの外見的特徴を残す。アーナック連合王国でも長らく虐げられる存在であったが、近年ではその居住地を拡大し、人間と対立し始めている。